派遣僧侶に渡すお布施の意味

葬儀・法事・法要の際に、お寺または派遣僧侶に納める謝礼のこともお布施と言いますが、仏教の考え方として、決して料金という意味合いで表現しているものではないのです。仏教で、「布施」とは他人に何かを与える行為のことを指します。与える何かとは金品だけではなく、教えや道徳を説き示し、不安や恐れを取り除くことも含まれます。これを踏まえた上で、僧侶へのお布施について考えてみましょう。

お経について

お経とは、仏教徒のための教えを説いた経典のことです。この経典を僧侶が読みあげることで、ありがたい教えをいただいているという解釈になるのです。言葉を大切にする仏教では、祈りと教えであるお経は、とてもありがたい聖なるものなのです。

戒名とは

本来は、仏の子供となったことを表す名前で、本来は出家して仏門に入り、守らなければならない戒律を受けた弟子に与えられる尊いものです。故人に対して与えられる戒名は本来、仏弟子として浄土に往生する故人をたたえ、菩提寺のある仏教徒に対してその寺の住職から授けられるものです。そのため、仏教徒でなく菩提寺を持たない人には、葬儀を取り仕切る僧侶から与えられます。

お布施の意味

改めて、お布施の意味について考えてみます。読経と戒名を頂いた謝礼の気持ちを表現するためのもので、読経料や戒名料という表現は該当しません。読経と戒名が、往生する故人にとって、とてもありがたいものであるということを前提として、それを頂いたことに対する感謝の気持ちを表現するものなのです。

金額について

一般的な金額は決まっておらず、「お気持ちを頂きます」とお答えすることになります。つまり、金額や相場に関しては、正解や不正解という概念がないということです。しかし、感謝の気持ちを表現するという意味を持っているお布施が、低すぎる表現になることは避けたいものです。

包み方

現在では、簡略した市販のものでも問題ございません。正式な包み方をご説明させていただきますと、半紙に包んだ上で、水引のない白封筒に入れてお渡す形になります。その際に、封筒表面に「お布施」と記入してもしなくても大丈夫です。
注意点としては水引の付いている不祝儀袋は、亡くなった人に対して贈る香典を入れるものですから、使用しない方がいいでしょう。また、手渡しや地面に滑らせるのではなく、お盆に乗せて差し出すのが正しいとされています。




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